金属容器における「塗装・印刷」の重要な役割
その1 「美観の追求」

<生地 → 白 → 多色刷り>
はじまりは「白」から
そうなんですよ。スチールはもともと当たり前だけどメタリックじゃないですか。「どんな色でも発色を引き出す」為には、下地を紙の様に白くしないとね。
またこれ、防錆の意味もありますし。
専門的には「ホワイトコーチング」っていう塗装なんですけどね。
このホワイトの色だけで数十種類位あるんですよ。
メーカー別に言ったら何百種類になるのかなあ。
白は白だろって?いやー、そうなんですけどねえ・・・。
それはそれ、お客様のご要望というのがありまして、ちょっとブルーがかっているとか、ピンクがかっているとか。
限りなくというわけにはいきませんけど、対応させていただいているということで。

<網点とその組み合わせ>
「色を追求」する究極のパズル
パズルですか。うまいこと言いますね。実際そうかもしれませんね。
まず、金属インキの種類が何百もあるでしょ。混ぜると濁るという性質もあるけど、
それを承知の上であえて混ぜてつくる、「特色」というのもありますし。
その、それぞれの色を網点にして、なおかつ組み合わせるわけですよ。まあ、そう考えると「色の追求」の仕方って無限ですよね。実際、下地も含めて10回以上も印刷をかける場合もありますからね。
一般缶のこと、用途によっては「美術缶」って言いますけど、ホントそうですよ。
安全・安心の完成。「焼き付け」の秘密
缶を作るときって、いろいろ曲げたり伸ばしたりしますよね。それでも塗膜が剥がれてこないっていうのは、実は大変なことなんです。この辺については、やはり塗料メーカーの努力が大きいですね。
その塗料メーカーの指定する温度で焼き付けするんですけど、これでまた色が変化する。夏と冬で違うんですから、まあ苦労はします。
でも、この焼き付けの段階で、インキに含まれている溶剤関係はほとんど飛んでしまいますのでね。
今の「安全・安心」が一番に求められる世の中、まさに時代にかなっていると思います。
世界に誇る「匠の技」
美術品のような色を追求していくこともそうなんですけど、諸外国と比べて一番違うところ分かります?
これね、印刷がズレていないってことなんですよね。何回も印刷機を通しているのに!ですよ。
ここまで正確っていうのは、やはり日本人として誇るべき特性なんですかね。大げさですか?
でも、色の追求も含めて、ここまでのこだわりを持った職人さんがいるからこそ出来ているのも事実ですからね。
こうした「匠の技」が、一般缶を通して日本の文化を支えている。私たちの一番の誇りですよ。